2021-04-05

Panzer Corps 2(その5)

  Panzer Corps 2攻略、最終回

前回からの続き、Panzer Corps 2攻略日記です。史実では、西部戦線と東部戦線での劣勢から総崩れとなり、いよいよ国境沿いの後がないところまで追い詰められます。ここでドイツは、起死回生の無謀な作戦を2つたてます。


アルデンヌ攻勢

まずは西部戦線で連合軍の補給地を急襲するためのアルデンヌ攻勢から。史実ではTiger 2で精鋭部隊を組んでアルデンヌの森の突破、アントワープ港の奪取までをもくろみます。序盤はTiger 2の性能にものを言わせて突進し、奇襲効果もあって敵は大混乱に陥ります。しかし、補給がない、制空権がないのでそもそも行動が制約されているなどの理由で、道半ばで作戦失敗となります。

というわけで、ゲーム上のマップを見渡してみます。まず問題の森林地帯ですが、移動がうまくできないので、これを使って敵の側面をつきたくても、あまり成果を期待できなそうです。そもそも制空権が取れていることが前提であり、うかうか森の中に部隊を入れて渋滞を作っていたらいい標的になりそうです。ちまちまやってナミュールまで突破できるかどうか?

それよりも敵の正面を抜きます。リエージュを主攻勢軸にして戦線を構築。森は、逆に盾(バッファ)にみたてます。主力の各種部隊をきちんとフォーメンションして、対空砲もきっちり配備。結局どのマップでもそうですが、制空権の確保を最優先とするべきです。

リエージュとその前方は敵がかなり固いので、じわじわした打ち合いになりますが敵にとっても攻めにくい地形です。野砲は徹底的に育てているので、火力を集中できる陣形を組めさえすればチャンスは来ます。程よいタイミングで渡河して背後からリエージュを包囲。リエージュを落とすころには敵は戦略的予備を失っており、ナミュール側の部隊とも邂逅します。あとはブリュッセルまで一気に狙えます。これで当時のドイツ軍が夢にまで見たブリュッセルの再占領が成功です。

ゲーム中は始終、敵の行動は消極的で、波状攻撃で襲ってくるような局面はありませんでした。史実でのドイツ側の奇襲的な性格を反映して、敵AIが調整されているのかもしれないと思いました。


春の目覚め作戦(バラトン湖)

つぎは、春の目覚め作戦で、ここで東部戦線に戻ります。この戦いでは、ハンガリー方面の油田地帯を確保するためにブタペスト近郊で会敵、付近の領土を取り返すような想定で作戦がたてられていました。といっても典型的な無謀作戦であり、史実では虎の子の戦車部隊を無駄に損耗しただけの結果となりました。

加えて、史実ではバラトン湖北部を主軸に東進し、ソ連軍部隊の突出部をバルジ的に挟み込むことを目指すも、あっさりと敗退します。ゲームでも敵の突出部が何となく再現されているようで、この時期にふさわしい重厚なソ連軍機甲師団が配置されています。

一方ドイツ側ですが、バラトン湖の南北に2方面に部隊を配置できるようになっていて、史実とは別の状態ですが、ブタベスト近辺で南北から敵を挟み込むことができそうです。とはいえ、こんな強そうな機甲師団を挟む気になんてなりません。(このゲーム、じつはヴェレンツェ湖と混ざってデザインされているんじゃないかなぁ、そのほうが史実に近い地理感があるかも。)



いずれにせよ北岸の部隊が敵の主力を迎え撃つのは避けられないので、まずは策源地からどのように陣地を組んでいくかを考えます。基本はこれまでと同じです。基本的にソ連軍はスチームローラ(ドクトリン通り?)で来るので、野砲等で敵の第1撃を防ぎます。そのあとは徹底的に航空戦力を使って敵の地上勢力を削っていきます。味方の戦車はとどめのところで使うといった、ピンポイントを意識します。これはエアランド・バトル的なドクトリンなのかもしれませんね。このころの敵はSU-122など、Tigerクラスでも打ち負ける敵がどんどん出てきたので、そもそも地上での戦車同士の打ち合いをやっても、新規兵の部隊ではまず勝てません。できるだけ避けます。

そんなこんなで、ドクトリン通りに展開させます。ブタベスト近辺は敵が固すぎて前に進めませんが、バラトン湖の南方方面の部隊との合流を待ってブタベストに進撃します。というわけで、部隊合流のシナリオを果たして、この時期のドイツだったら99%ありえなかったブタベストの奪還を成功させました。そうして最後のベルリン攻防戦へ。

ベルリン攻防戦

いよいよ最終戦になりました。ベルリン市街を残してすべて敵に制圧され、完全に取り囲まれている状態でスタートします。(全域マップを見ると、真っ赤です。)部隊配置場所は市街の複数個所を選べますが、今回は悩みました。最終的に空港が使える南部の2つの場所を選択します。

市街のほとんどを敵にとられること、そして自軍の拠点は完全に孤立した運用となることを想定します。そこで対空砲、野砲、戦車、歩兵などの必要数を計算してきれいに2つに分けて配置します。

具体的には、やはりエアランド・バトルを考えます。優先順位としては、制空権をとるために必要なものは空港であり、それぞれの空港に対空砲は2つは欲しいです。それらを守るために必要な野砲数、その野砲を守るために必要な部隊と部隊数を決めて、配置していきます。それらができれば、あとは敵の猛攻を防ぎきれるかどうかです。


戦闘は予想通り、ソ連軍があっという間に市街のほとんどを制圧。2つの自軍拠点は取り囲まれて、あとは耐えきれるかどうかの辛抱が続きます。

これまでに対空砲は徹底的に鍛えてあったので、数波にわたって飛来した敵航空機の攻撃をすべて防ぎきります。そのあとは温存していた地上攻撃機をフル展開して、敵のアセットを削っていきます。

ここで、これまで全マップ中で初めての部隊の損失が出ました(パンター)。Prestigeは十分にあるし、最後なのでまあ良しとしましょう。

そんなこんなで敵を撃退し、市内のすべての拠点を奪還して、めでたく勝利しました。

最後に思ったこと、コツとか

読む人はいないと思うけど、コツをちょっと書いておこうと思います。まずHeroの属性で、embushかhideか、とにかく隠れるスキルがあります。そういうスキルは、すべて、Flak 88、対空砲に付与します。このように対空砲をできるだけ隠して強化していけば、敵の航空機はどんどん突っ込んできてくれるので、断然優位です。

野砲は、関節射撃で自軍ユニットを守ってくれます。このとき、対ソフトタイプか、対ハードタイプかを計算に入れる必要があります。(榴弾か徹甲弾かみたいな違いにしてくれたら、もっとリアルだったのですが。)具体的に言うと、15 cm以下の野砲だと対ソフトスキンに対応してくれます。敵歩兵の肉薄攻撃を避けるのが最優先なので、陣地を守るためのユニットとしては15 cm野砲の一択となります。これに対して、敵の野砲や対空砲と直接撃ち合いたい場合は、射程と口径がものを言います。18 cmや22 cmなどが選択肢になりますが、このクラスの砲はロジスティック(unit slot)をとても消費するので、敵の野砲や対空砲と撃ち合いたいマップ以外は、使わないほうがいいぐらいです。

敵は基本的にスチームローラー的な電撃戦で向かってきます。侵攻作戦よりも防衛戦が主体となる後半では特にそうです。敵の動きには数回の波があるので、波の有無を見極めることが重要です。敵が攻撃的に動いているときは、こちらは防御陣形の維持を重視します。敵が引き気味の時は、こちらが前に出ます。

最後に、地上攻撃機はとことん過保護に育てたほうがいいです。もちろんすべての兵種を使い捨てにしてはいけません。ですが攻撃機は自軍の槍に相当するもので、脆さもあるので、できるだけ守る必要があります。逆に言うと、戦車部隊を重視しないことでもあるので、そのへんは戦車戦を重視したい場合は違うかもしれませんが、基本はエアランド・バトル的なドクトリンのほうがうまくいくのではないかな。

このゲームでは、西部戦線ですら、連合軍の航空戦力は意外と少ないです。史実だとムスタングが出てきたころには空はどうしようもなかったのだと思いますが、対空砲をそれなりに育ててきちんと運用していけば、そして、たとえBf109、Fw190でも育てておけば、ドイツ側でも制空権をとれるようになっています。その代わり、米英の戦闘車両は、なんだか微妙に強く補正されている気がするのですが…。

強い兵器や珍兵器をいれてunit slotやprestigeを消費するよりは、定番の兵器を育てて使い続けているほうが良いです。具体的にはTigerよりもPantherだし、コメットやシュヴァルベをいれるよりも109, 190で十分です。突撃砲は、敵の陣地や都市を攻める前半では人手が足りない時に役に立ちましたが、後半では微妙な存在となりました。44年ごろから出てくる自走対空砲ですが、そのころにはFlak 88が強く育ってきていたので、そちらをとことん使いました。つねに節約的に部隊を選択・運用するのが正しいと思います。

ということでPanzer Corps 2、バニラ版ですがまあまあ楽しみました。


2021-04-04

Panzer Corps 2(その4)

 Panzer Corps 2攻略、その後のその後のその後

前回からの続き、Panzer Corps 2攻略日記です。クルスク戦のあと東部戦線をいったん離れて西部戦線に移ることにしました。


イタリア戦線へ

まずは連合軍のシシリー上陸に対応します。これは連合軍主力兵器の性能を見る程度、さや当て程度で終了しました。航空戦は互角以上でいけそうですが、M4や対戦車兵器が意外と強いので、嫌な予感がします。

次のサレルノはさらに面倒でした。イメージとしてはTigerやPantherクラスがあれば楽ができると思っていたのだけど、ちゃんとやらないとこちらが崩れます。このマップで強く感じたのですが、おそらくゲームデザイン的に東部戦線と難易度を合わせていると思います。(陸戦はそれなりに強敵。ただし空戦はそれほど怖くないというイメージ。)

サレルノ戦では山脈の関係で部隊の連携が取れず、配置が整わない初戦は苦戦しましたが、敵の第1波を抑えた後は部隊配置を整理して善戦。東部戦線と同じ戦法で、連合軍に勝利しました。


その次のグスタフ・ライン攻防戦では、連合軍の攻撃はさらに厳しいものでした。ただし、こちらでは地形上防衛しやすい陣取りで進行できたので、野砲を固めて隙のないように敵を迎えていけば、損害自体はそれほど出ませんでした。

ただし油断は禁物で、自軍の援護射撃の圏内から少しでもずれると敵に集中的に攻撃を受けます。どうしても防衛ラインには野砲でガードしきれない部分があるので、そこは守りに徹したり、後方で補給したりといった連携が欠かせません。PantherのほうがTigerよりも足が速いので、火消し係にはPantherのほうが重宝します。

やはり防御は歩兵(擲弾兵?)でできるだけ強化しておくのがベスト。東部戦線の初期では工兵と50:50ぐらいにしていたけど、防御力重視で、工兵は減らしました。また、敵の歩兵部隊にはたまに戦車キラーみたいな強化されたのが混じっている(と思う)ので、やたら強い部隊がいたら下手に手を出さずにキルゾーンをつかって、しらみつぶしをします。

なお、少し期待した、「急造の列車砲的なもの(アンツィオ・エクスプレス)」は登場しませんでした。

ノルマンディー(カーン防衛戦)

つぎは有名なノルマンディー戦です。といっても(よくあるような)上陸部隊への迎撃みたいな行動はありません。すでに橋頭保は確保されていて、内陸の重要拠点カレーへの進行をどう防ぐかみたいなマップになります。

カーンは交通の要所であることから、「転車台」と呼ばれていて、戦略上重要な拠点です。ゲーム上ではウラヌス戦の時のような籠城戦のスタイルをとるマップになります。

どうしても西部戦線のほうがユルいイメージがあるのだけど、そんなことはありません。敵の歩兵の肉薄攻撃はやたら強力で、こんな突撃スタイルをとっていたのかなと思わされます。とくにこのマップは後攻スタート、しかも自軍陣地がすでに敵野砲の射程に入っているという二重苦があります。初戦ではどれだけ確実に敵の航空部隊を抑え込めるかがカギですが、自軍の対空砲が敵野砲の射程に入ってしまうと、非常に問題があります。


そんなこんなしながら頑張ってカーンを守り切り、徐々に反撃に移ります。ちなみに、マップの隅にはヴィレル・ヴォカージュという街があり、交差路らしきものもあります。これは演出でしょう。この地域には実際に、バルクマンというエースが守った「バルクマン・コーナー」という名所があります。史実では増援部隊をここで食い止めるのですが、ゲーム的にはそんなところにエースを送る余裕はありません。全軍でカーンをしっかり守るのが最優先というところ。街ひとつなんか、どうでも…。

コブラ作戦

フランス大西洋岸地方での連合軍のコブラ作戦に対応するマップです。史実では連合軍は苦戦しますが、それを反映して、ゲームでもやや難易度は低くなっていました。サン・ローに強力な陣地が構築されているので、そこの突破に手間取ります。それぐらいでしょうか。

ただし、この後にもアルデンヌをはじめとして激戦が目白押しのはず。エース部隊を喪失するわけにはいかないので、安全を優先してじっくり進めます。このころになると敵の歩兵との駆け引きもわかってきたので(どういうときに攻めてくる、せめてこないの距離感)、打つ、守るのタイミングの主導権を意識しながら展開できました。