2012-11-24

TOPEAK RaceRocket HPC

携帯空気入れ再考

携帯用の空気入れは何が良いのか? 難しい問題だ。

もし路上でパンクした場合、確実にチューブを交換し走行可能な状態にならないといけない。ロングライドの途上や山道でのパンク修理の失敗は現実的に危険を伴うし、通勤ライドであっても確実に大きな影響を被る。

何か備えが必要です。万人にとってベストは方法はないかもしれませんが...。

TNI CO2インフレーター
私の場合、屋外でのトラブル対応にはCO2インフレーターで対応することにして、TNIのインフレーター「ダイヤルタイプヘッド(赤)」とボンベ2本を携帯しています。これはこれで評価が高いですね。









それに対して、携帯用の小型ポンプはどうも敬遠していた。なぜって、すごく大変そうなので。気温が30℃以上とか、あるいは5℃以下の環境で600回もポンピングしたくありません。仕事帰りの夜道なんて、考えるだけでグッタリしそうだ。

そこでこのTNIのインフレーター、使い勝手は非常に良いです。チューブのバルブに対してはねじ込み式で装着するので、(ただバルブに押し込むだけのタイプに比べて)より確実に空気を注入することができる。私は過去3〜4回ほど、実際にオンサイトでこのインフレーターを使っています。(そのうち一度は極低温の山中で、ワラにもすがる思いでバルブを開いたのでした。)

TNIのインフレータは評価が高く、ネガティブな意見はなさそうに見えます。しかし、100%の確実性が絶対にあるかというと、そうでもないんじゃないだろうかなあ、と思っている。

問題は、圧が思ったほど上がらないことです。

私がヘタクソなだけかもしれないが、気化熱を奪われて、バルブ周囲が急速に凍り付き、それによってバルブの「噛み合せ」がズレて、若干空気が漏れるような気がする。ボンベを1本使っても最大6~6.5気圧ぐらいまでにしかならない。なぜかな? たまさかの若干のモタツキで、1気圧ぐらいはロスしている感覚だ。(あえて言えば、私的には不可避です。) ボンベの容量の問題なのか分からないが、少なくとも私にとって、納得ができる100%確実な方法ではないなあ、と。

これは復帰性に関わる道具...、つまりこの道具が使えば結果がこうなるという予測性が100%でないと、なんか気持ち悪い。野外でのパンクなんて私の場合なら年に1回ぐらいでしょう。慣熟に劣ったヘタクソならば失敗する、というのでは信頼性に欠ける。

それではやはり、古くからある携帯式ポンプこそがベストなのか。

 * * *

携帯式ポンプの問題は、以下の通り。
  • 形状の特性上、力を込めて空気を入れにくい。
  • チューブのバルブと上手く口を合わせないと空気が漏れるので、実は結構難しい。
CO2インフレータの問題は、以下の通り。
  • 失敗するとそれまで。
  • 押し込み式の場合、口金の形状の相性が気になる。
  • 「ちょい足し」のようなカジュアルな使い方に向かない



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携帯用の小型ポンプとアダプターの組み合わせ



そこで補助ツールの出番です。携帯式の小型ポンプの利便性を改善する有名なソリューションがあります。

グランジ・ポンプ・アダプター
それは「グランジ・ポンプ・アダプター」と小型ポンプを組み合わせる方法です。グランジ・ポンプ・アダプターは神ツールと呼ばれているほどの有名な商品であるので、使い方はググればいくつか見つかるでしょう。簡単に言えば、ホース式のアダプターを小型携帯ポンプに組み合わせることで、充填時の操作性を劇的に改善させてくれます。


 * * *

だがここで、もう一つ別の方法を提案したい。

それはTOPEAK  "RaceRocket HPC"  と、米式-仏式アダプターを組み合わせる方法です。

TOPEAK / RaceRocket HPC




TOPEAK / RaceRocket HPC はシリンダーもハンドルもカーボン製の、軽量ロード用ポンプです。サイズ的にも申し分ない。最大の特徴は、ホースが組み込まれており、ホースを引き延ばして使用できることです。その時点で、グランジ・ポンプ・アダプターを使うよりもスマートな感じがする。


ただし、TOPEAK / RaceRocket HPC は、ただの「押し込み式」なので、そのままでは必ず安心できるとは言えません。差し込み角度は結構シビアであり、少しでもずれるとシューと漏れる。

そこで米式-仏式アダプターを組み合わせます。実際には写真のような感じ。これならバルブと口金の相性の心配もないでしょう。米式-仏式アダプターとして、私はパナレーサー "BFP-FV20 仏式バルブアダプター" を使っていますが、別に問題ありません。これ一つで150円ぐらい。



サイズ的にはTNIのインフレータと比較すれば以下のような感じ。

インフレーターの場合、ボンベは普通2本以上携帯するでしょう。すると、TOPEAKは (1) 容積/重量的に勝る、(2) 空気漏れがなく総合的に信頼性に勝る、(3) しかも手押し式なので「ちょい足し」も可能となる。スマートな方法じゃないかな?

TOPEAK / RaceRocket HPC と TNI CO2インフレータの比較

結局のところ、TNIのインフレーターを使うのか、小型ポンプを使うのか、私の中ではひとつの結論はない。ほんの10秒で6気圧でも入れば、問題のあったサイトから自宅まで自走できる可能性は高いし、それはそれで捨てがたいものがあります。逆に丸一日ロングライドせよと言われたら、迷わず RaceRocket HPC を選ぶかなあ...。

普段のツールボックスにはどちらを入れようか。